2026.06.11
「決算書では利益が出ているのに、なぜか預金残高が増えない。」
実は、中小企業では珍しくありません。
むしろ、「利益は出ているのに資金繰りが苦しい」という相談はよくあります。
今回は、黒字なのにお金がない会社が生まれる理由について解説します。
利益とお金は別物
まず理解したいのが、
利益=会社のお金
ではないということです。
例えば、
売上 1,000万円
経費 800万円
であれば、利益は200万円です。
しかし、利益が200万円出たからといって、銀行口座に200万円残るわけではありません。
利益は会計上の数字であり、実際のお金の動きとは異なります。
原因① 売掛金が増えている
例えば、6月に100万円の仕事をしたとします。
会計上は6月の売上になります。
しかし、入金は8月かもしれません。
この場合、「利益は増えるが、お金はまだ入ってこない」
という状態になります。
特に成長中の会社ほど、売上増加と売掛金増加が同時に起きるため、
「儲かっているのにお金がない」という現象が起こります。
原因② 借入金の返済
借入金の返済も要注意です。
例えば、毎月10万円返済している場合、
会計上の経費になるのは利息部分だけです。
元本返済部分は経費になりません。
つまり、「利益は減らないが、現金は減る」
ということになります。
毎月の返済額が大きいほど、利益と手元資金のギャップは広がります。
原因③ 設備投資をした
車両や機械、パソコンなどを購入した場合、お金は一気に出ていきます。
しかし会計上は減価償却となり、数年に分けて経費化されます
そのため、短い期間で見ると「支払いは高額だが、利益は少ししか減らない」ということが起こります。
原因④ 税金の支払い
利益が出ると税金が発生します。
法人税は利益に対して課税されますが、現金で納付する必要があるため、手元資金が一時的に大きく減ります。
「利益が出て嬉しい」と思っていたら、数か月後に税金の納付書が届いて驚くケースがあります。
利益は出ていても税金のためのお金を確保していなければ、資金繰りが苦しくなります。
黒字倒産のリスク
実際に、利益が出ているにもかかわらず資金不足で倒産してしまう「黒字倒産」という言葉があります。
会社を経営する上で重要なのは、利益だけではなく、現金を残すことです。
社長が見るべき数字
毎月確認したい数字は次の5つです。
◆預金残高
◆売掛金残高(入金予定の確認)
◆買掛金・未払金残高(支払予定の確認)
◆借入金残高
◆直近3か月の大口支払予定(税金・返済など)
利益だけを見ていると、資金繰り悪化のサインを見逃してしまいます。
売掛金と買掛金・未払金をセットで把握し、いつ・いくら入ってくるか、出ていくかを先読みする習慣が大切です。
まとめ
会社経営では、「利益が出ているか」だけではなく、「お金が残っているか」が重要です。
決算書の利益は黒字でも、預金残高が減っている場合は注意が必要です。
売掛金・買掛金・未払金の残高や、税金・借入返済などの支払予定を日頃から把握し、現金の流れを意識した経営を心がけましょう。
当事務所では、中小企業の経営者様向けに、
- 資金繰りの見える化
- 融資サポート(創業・事業拡大・資金繰りなど)
- 月次での経営相談
を行っております。
「利益は出ているのにお金が増えない」、そんなお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。


